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Twitterと距離を置くこと

このごろTwitterと距離を置いている。同じようにTwitterと距離を置きたいという人に向けて、参考のためにその方法を書いておく。ただ、本題に入る前にいくつか断り書きがある。

 

まず、以前と比べて個人的にはTwitterと距離を置いてはいるものの、Twitterは今も見ている。めちゃくちゃ見ていると言ってもいい。おそらく今もなお9割のTwitterユーザーよりTwitterを愛用していて、Twitter中毒から抜けきれたとは到底言えない。寝る前に缶チューハイを3本空けてた人が、最近はだいたい1-2本、たまに酒なしでも眠れる日が来た、というような話である。

 

そういうわけで、これはデジタルデトックスみたいな話ではない。私は今もスマホばかり見ていて、パソコンとほぼ一日中向き合っている。Twitterで失っていた時間を取り戻し、家族や友人との時間を楽しみ、人生がリアルに充実したとかいう話ではない。たとえば今日は、TwitterのかわりにKindleでずっとキン肉マンを読んでいた。生産性を上げるためにTwitterから距離を置いたわけではない。

 

Twitterにはたくさんの不満があるけど、いまも好きなプラットフォームの一つであることは否定できない。またTwitterを使いまくる日々が戻ってくるかもしれない(予防線)。

 

ではなぜTwitterと距離を置いたのかというと、こう書くのはテクノロジー大好き人間が年を取るに従って世の流れについていけなくなるみたいで嫌なのだが、要するに疲れたのである。なんだかみんながずっと怒っている感じ、感情がぶつかりあう感じに、疲れたのである。そういうことを言うと「タイムラインは整備するものですよ」みたいなことを言われる感じに疲れたのである。

 

とりあえずこの数ヶ月の取り組みをまとめてみる。

 

アプリをやめる

 

きっかけは今年のはじめ、友人が年初の誓いとして、Twitterアプリをスマートフォンから消したことだ。私がTwitter中毒になるのは主にパソコンと向きあっている時なので、それを聞いて、私もせめてスマートフォンではTwitterをやめられるのではないか、と思った。どうせモバイルでの使い勝手はパソコンに敵わないのだから。そうして私は友人に倣ってTwitterアプリを消した。いま思えば、これが第一のステップであった。

 

同時期にFeedlyなどのニュースアプリや、Facebookもスマートフォンからは消した。どうせほぼ一日パソコンに向かっているのだから、パソコンで見たほうが効率的なものは、パソコンで見ようということだ。結果、スマートフォンに残った三種の神器はSpotify, Instagram, Kindle, あとはもちろんカメラである。4種類だった。

 

Twitter中毒者がスマートフォンからTwitterアプリを消すとどうなるかというと、モバイルブラウザで見るようになる。しかし、ここは鉄の意思でブラウザからもログアウトした。Twitter検索はまだ使える……いまもときどき使っている……しかし、スマートフォンでタイムラインを追うことはなくなった。

 

書き込むのをやめる

 

そういうわけで、外出時はTwitterから距離を置くことに成功したが、それでも私は大半の時間をPCの前で過ごしている。特に夜、家にいてお酒を飲んでしまうと、だらだらTwitterを見たり、書きこんだりすることをやめられずにいた。

 

しかし7月、京都アニメーションの放火事件が起きると、さすがにタイムラインを見るのがつらくなった。

 

私はインターネットにはまった高校生のころから、生粋のウォッチャー体質であったが、ネットウォッチが本当につらいと思ったのはこの時が初めてであった。特にアニメファンというわけではないので、なぜこのタイミングでそう思ったのかは、自分でも分からない。

 

そういうわけで、Twitterからさらに距離を置くことを決意して、書き込みをやめた。こういうのはTwitterでウケるだろうなーという気の効いた言い回しを思いつくたび、ぐっと我慢して、それでも我慢できない場合はFacebookやInstagramストーリー、Slackに書き込んだり、友人にDMで送りつけたりした。創作に繋がるネタはツイートで終わらせず、なるべくショートショートの形にするようにした。

 

ウケ狙いの書き込みをやめると、ふぁぼやリツイートは当然なくなる。報酬系が破壊され、Twitterへ戻ってくるインセンティブが減る。書き込みをやめることで、書き込みたいという欲から少し解放されるのだ。

 

とはいえ、他人から見ればほぼ四六時中と言ってもいいくらい、PCで引き続きTwitterを見ていることにはかわりがなかった。

 

リストに注力し、ホームフィードを見るのをやめる

 

次にしたことは、Twitterのつらさを軽減するために、すこしづつフォローを減らすことだった。といっても、私は昔からリストを中心に見ていたので、リストのメンバーを精査して、ホームフィードには近寄らないようにした、というのが正確なところだ。

 

そもそもホームフィードは、誰かがフォローしているアカウントのツイートとか、誰かがふぁぼったツイートとか、本来自分がフォローしていないはずのツイートで溢れている。そしてこの傾向は、おそらくフォローの少ないライトユーザー向けの施策として、ますます強化されているようだ。とにかくホームを見るのをやめる、というのはTwitterから距離を置くには効果的な手法だと感じる。

 

一方、リストは、もともと読みたい人をフォローしているわけで、フォローを減らすというのは簡単ではない。そこで今回は一つの基準として、リツイートの多い人を中心にリストから外すことにした。

 

リツイートというのは、自分のフォローしている範囲外から情報が流れてくるわけで、それがTwitterの面白さではあるのだが、一方で自分の興味がない、面白くない情報も多く、玉石混交である。特に話題のツイートをどんどんリツイートしてくる人を、何人かリストから外すと、それだけでだいぶ落ち着いた感じになった。

 

あわせて、よく流れてくる、いわゆる「声の大きい」Twitter有名人については、たとえ個別の意見に賛成したくなることが多くても、言葉遣いが悪かったり、面倒そうな絡み方をしている場合、どんどんミュートすることにした。それまで私はミュートには消極的で、言ってることは過激だけど面白いこともあるし……みたいな人について、積極的にはフォローしなくても、流れてきたときは笑って読んでいたのだが、そういうノリからは手を切ることにした。

 

動物の動画とか、おもしろ動画みたいなものも、たとえ癒されたり笑ったりしても、流れてくるたび全部ミュートした。おもしろ動物動画を見るためにTwitterを開いているわけではないからだ。

 

自動再生をやめて、トレンドを消し、他のアプリを準備する

 

動画といえば、意外と効果があったのは、動画の自動再生をオフにしたことだ。人間というのは単純で、動画が流れてきて再生が始まると、つい続きを見てしまう。「これすごい!」みたいなテキストが添えられていたらなおさらだ。

 

しかし不思議なもので、自動再生をやめると、「これすごい!」と添えられた動画であっても、再生のワンクリックが面倒になる。そして、そのぶんTwitterに割く時間が減るのである。

 

現在はページの右側に出てくる、トレンド情報も消すことにした。これにはStylusを使っている。やはりインターネットはPCで閲覧するのが最適である。

 

Twitterを見る時間を減らすと、他のなにかをしなければならない。私の場合は、もっと本を読んだり映画を見たりしようと思って、単純な話だがパソコンではNetflixとKindleのアプリを常時起動しておくようにした。アプリの切り替えで、いつでもブラウザから移れるようにするのである。ウェブ巡回が終わったあと、ついTwitterを開いて、ついダラダラと見てしまうかわりに、NetflixやKindleへの切り替えを促すのである。

 

だらだら使うのをやめる

 

最後に、FirefoxにLeechBlockという機能拡張を導入して、夜中から朝まではTwitterに繋がらないようにした。とにかく、夜中にダラダラ見てしまうのが良くないと思ったからである。

 

実はこれは以前から何度か試みては、続けられずに断念していたのだが、リストに注力するようにした結果、まあ明日の朝見ればいいやと思う回数が増えた。今もついブロックを解除して夜中に見てしまうことはあるが、その回数は減っている。

 

少しづつ距離を置くこと

 

繰り返しになるが、Twitterは今もまだ見ているし、完全にやめるつもりもない。Twitter自体が嫌いになったわけでもないし、Twitter中毒者は目を覚ませと言いたいわけでもない。ただ今までのペースでエネルギーを消費することに、私は疲れたのである。

 

問題は、疲れたという自覚はあってもなお、それを遠ざけるには、こうして順番にステップを踏んでいく必要があるということであった。そういう意味では、ここに書いてあることを一度にやろうとすると、たぶんうまく行かなかったのではないかと思う。

 

2019/08/20 - 2019/10/01

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この文章は小関悠が書いた。特に明記のない限り、私と関係がある、もしくは関係のない、組織や団体の意見を示すものではない。

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