考えてたんだけど、水を飲むのってめちゃくちゃ野蛮な行為じゃないか。だって、水って限りある資源なわけでしょ。お金を出して買うにしろ、そういう限りあるものを、自分のためだけに使うってどうなんだろう。実際、これから水不足の時代がくるみたいなことが本にも書いてあった。水はあまり飲まないほうがいいんじゃないか。
もちろん水を本当に飲まなくなったら死んでしまうから、水の代用品は必要である。たとえば、すごい雪が降ってる地域とかはあるわけじゃん。だからそういう雪を水の代用にするのはありだろう。あと、湿気ってのもけっきょく水でしょ。日本は湿度が高いから、そういうところから新しい水を作っていくのはエコロジーでいい。
まだ水を飲んでいる人がいることにぞっとする。水を飲むことはみんなで禁止すべきだし、飲んでいる人がいたら、速やかに通報しなければいけない。どんな事情があっても、例外を認めるわけにはいかない。そもそも、水は適切な機関が管理すべきだろう。誰もやりたがらないなら、我々がやればいい。水の無駄を許すな。
いままで人間が水をどれだけ無駄にしてきたことだろう。昔の人達は、後世のことも考えず平気で水を飲む、実に野蛮な獣であった。いまは我々のチームが古い映画を見て、水を飲むシーンがないかを確認している。これまで尊敬されてきたような過去の政治家や芸術家も、水を飲んでいたことを鑑みれば、その記録や作品をいち早く廃棄して実に正解だった。
2019/03/14
この文章は小関悠が書いた。特に明記のない限り、この文章はフィクションであり、私と関係がある、もしくは関係のない、組織や団体の意見を示すものではない。
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