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暗殺しながら生きていく

「暗殺しながら生きていく」ははてな匿名ダイアリーに投稿しています。

 

2009/06/02 - 2009/07/21

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この文章は小関悠が書いた。特に明記のない限り、この文章はフィクションであり、私と関係がある、もしくは関係のない、組織や団体の意見を示すものではない。

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その他のテキスト

かがやけ
全身が光りはじめました。就職活動のため新大阪に向かう途中のことです。広島あたりから体が徐々に明るくなり、岡山に着いたころにはすでに眩しいほどでした。幸い、朝一番の新幹線は人影まばら。私は窓際に掛けていた春コートを頭からかぶりました。自分のコートは汗臭かったです。……

二次元を探して
祖父が死んだ。脳梗塞だった。なんの予兆もなかったので家族の誰もが驚いた。先日、五十年以上勤めた市役所を定年になったばかり。家族揃ってお祝いをしたときは元気そのものの姿だった。まだ75歳。健康に気を遣う人ではなかったが、死ぬには早すぎた。……

兄のいない一週間
太陽にバグが見つかって、兄は修理の旅に出た。兄は一流のエンジニアというわけではないが、旧式のコンピュータ・オタクではある。旧式コンピュータのオタクであるし、旧式のオタクでもある。今や太陽はレガシー。月もレガシー。地球もレガシー。修理できるのはオタクだけだ。兄自身もレガシーと言えるだろう。太陽なんて修理しても誰も賞賛してくれないが、誰も賞賛しないことをやるのがオタクである。少なくとも兄はそう思っている。……

飛豚症
ある日ゴミが視界に浮かんでいるのに気付いた。はじめは空気中の塵かと思ったが、視点を動かすに合わせゴミもふわふわと動くので、どうも眼球の異常らしい。すぐに目を洗ってみたが落ちない。仕方がないのでゴミを視界の隅に入れながら街を歩いた。ゴミは赤っぽく、よくよく見ると豚の形をしている。ときどきこちらを向いて愛らしい表情を見せる。そして視界の邪魔をする。いつからそこにいたのだろう。気にしなければどうってことないのかもしれないが、気になるとどうにもうっとおしい。僕は講義を休んで最寄りの眼科へ行った。……