以下のツイートに始まるインタビューの事前チェック問題について色々考えていたのだが、現実的にはインタビューをする側、される側のパワーバランスでしかないのでは、という結論に自分では落ち着いた。
ずっと言おうかどうか迷ってたけど言ってしまおう。
— 西山里緒 / Rio @ビジネスインサイダー (@ld4jp) July 20, 2018
「記事の事前チェックをさせて当然」
という考え方はマジで害悪以外の何者でもないと思う。
それを言わせるのは恥だと思うべき、メディアも、取材された側も。
そうさせることでメディアは自らの価値を損ない、「報道」の価値も損なっている。
昔はメディアが新聞・テレビなどに限られていて、彼らにインタビューされることが価値に繋がる一方、チェックできないので思ってもいない形で編集されるというリスクがあった。
今はネットに無数のメディアがある。新聞やテレビのメディアパワーは相対的に低くなり、彼らに取り上げられることの価値は小さくなった。一部の個人は自分を好意的に書いてくれるメディアを選べるようになった。事前チェックを求めることも可能だろう(というか、事前チェックのできないメディアはリスクとして捉えられるだろう)。
なんなら、メディアに頼らずとも個人で情報発信ができるのである。そして概ね、メディアがインタビューしたくなるような人というのは、今や自分で発信力を持っている。
もう「取材を受けて考えを喋る」という昭和メソッドじゃなくて自分で喋ってYouTubeでもTwitterでもブログでもマッハ新書でもいいから、セルフ発信してけばいいだけな気がして来たw
— GOROman@バーチャル (@GOROman) July 24, 2018
顔出ししたくなけりゃVTuber化できるしw#ホームアバター時代のセルフ発信
事前チェックがあれば、インタビューされる側は自分の意見が正しく反映されていると確認することができる。インタビューされる側とすれば、それは最低限のリスク管理であり、なぜそんな基本的なことが出来ないのか、と思われるかもしれない。
しかしその弊害もあるだろう。政治家が新聞のインタビューを事前にチェックしようとしたら、検閲と言われてもおかしくない。テレビ番組がある企業に密着取材をしたが、放送が始まってみたらブラックな労働環境の告発だった、という例も最近あった。
だから私は、もともとの問いかけ自体はとても真摯なものだと捉えている。世の中には無知で無礼なメディアがたくさんあって、インタビューの発言も理解せず、抜粋し改変し曲解して掲載するような事例が多々あることも十分に理解するが、それでも事前チェックは正しい、必ずすべき、とは思わない。
なぜならば……とさらに話を掘り下げても良いのだが、しかし現実問題として、メディアがたくさんある以上、インタビューをされる側はこれからますますメディアを選ぶようになるだろう。そして事前チェックはメディア選別の材料になる。
結局のところ、メディアにとっては、事前チェックなしでも仕方ないと思われるほど、カルマを高めるしかない。しかし、ただでさえ儲からないメディアビジネスにおいて、どれだけカルマについて考える余裕があるのかというと、難しいとしか言いようがないのが正直なところである。
2018/07/24
この文章は小関悠が書いた。特に明記のない限り、私と関係がある、もしくは関係のない、組織や団体の意見を示すものではない。
面接をハックする:下調べのこと
このまえの転職期間中、またいくつかの面接を受けて、いくつか思うことがあったので書きます。まずはリサーチ、下調べについて。……
面接をハックする:エピソードのこと
就職活動や転職活動で不思議なのは、選考が面接に偏重していることである。……
転職のお知らせ、あるいは一人のサラリーマンが40を前に考えることについて
私事だが、また転職した。5月いっぱいでBuzzFeed Japanを退職し、6月からGoogle Japanで働いている。BuzzFeedの同僚に「書くんですよねwww、退職ブログwww」と煽られたので書いておく。というか、辞める前に書いていたのだが、今日まで公開するのを躊躇ってしまった。なにしろ転職ももう3度目である。……
「指紋認証を悪用した広告」はどうやって作るのか?
TwitterやInstagramでの広告で、1度タップしてホームボタンに触れるだけで指紋認証で購入完了となり¥5,500で買わされる非常に悪質なアプリ広告があるので注意。自分は分かっててこのツイートをする為にこの画面でスクリーンショットを撮ったら指紋認証され、無事¥5,500で購入 pic.twitter.com/JG43U1eEB4— えぴたん🍤6/30ライブ (@epitan25) May 31, 2018……