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四百字刑事と条件付確率

ミステリ研究会の合宿で女が死んだ。餃子に毒が入っていたのだ。餃子は研究会のメンバー、四人全員で作った。メンバーは誰もが毒を入れられる状況で、他の人間は料理に参加していない。そして最初に餃子を食べた女が死んだ。部下のジョバンニが調べたが、他の餃子に毒や目印はなし。いったい誰が犯人なんだ、と研究会の代表、私たちがやるはずがない、彼女ではなく私が死ぬ可能性もあったんだ。最後に食べれば不注意な奴が死ぬだけさ、と派手目の男が言う。毒入りが残るかもしれないじゃないか、と小太りの男。そんな調子で残った三人の学生が喧喧諤諤の議論を続ける。やがて答えの出ないまま静かになり、ようやく私は口を開いた。これは自殺さ。自分で目印をつけて食べたんだ。私は四百字刑事。ここで事件があると電話があったので来た。ただ、なぜこんな真似をしたのかだけが分からなかったけれど、いまになって分かったよ。君達に推理で勝ちたかったんだね。

 

2009/02/03 - 2009/02/07

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このページにある全ての記述は、特に明記のない限りフィクションです。また著者である小関悠が個人の立場で書いたもので、所属する組織などの立場や意見を示すものではありません。
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