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月曜日

 月曜日は彼女と会う日だったが、彼女はもういないので何もしない日になった。

 一日中、横になって過ごした。腹が空いた時は、自分の足を食べた。比喩的な意味で。

 驚いたことに、そうやって過ごし続けても何の不都合もなかった。貯金は減った。体重も。だがどちらもゼロまでにはまだ幾分の距離があった。ただ、眠れなかくなった。目を閉じると、別の世界に迷いこんだ。そこでもやはり、何もせずに過ごした。一日に一度は風呂に入り、三日に一度は爪を切った。髭を剃ると、目の下のクマが強調された。最初は眠らないといけないと、目を無理に閉じたが、そのうちにやめた。何故なら、つまり、何の問題もなかったからだ。

 今日も月曜日だった。昨日の明日も月曜日だった気がする。月曜日は眠らない日だった。眠れない日になったところでどんな変化があるだろう。そのうちにまばたきの回数だけ別の世界に迷いこむようになって、月曜日は完璧なものになった。

 

2002/04/24

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この文章は小関悠が個人の立場で書いたもので、所属する組織などの立場や意見を示すものではありません。特に明記のない限り、この作品はフィクションです。

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