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初代ガンダムを観た話

私は初代ガンダムがテレビ放映された1979年に生まれたので、ガンダムのことは詳しく知らず、それ以降も知らないまま今に辿りついた。友人が熱心に布教してくれることもあったが、今となっては過去の蓄積が多すぎて、どうも見る気になれなかったのだ。

 

今ここで私がスタートレックを熱心に布教して、DS9だけでも見てくれと懇願しても、99.99%の人は見ないでしょう。そういう感じである。

 

ところが、Netflixで面白そうな作品を探しているときに、初代ガンダムの劇場版があることに気付いた。ガンダムなにから見るか問題は今や宗教論争となっているようだが、この劇場版は40話以上に及ぶテレビ版を映画3作にまとめたもので、宗教的にも多数の原理主義者から支持を得ているという。

 

これくらいなら観られるんじゃないかと思って、4日ほど前から観始めた。そしていま3作を観終えた。

 

めちゃくちゃ面白いじゃん。

 

そもそも私はあんまりアニメを見ない。特にロボットアニメは、世代的に避けては通れなかったエヴァンゲリオンと、過去に友人が異常なくらい熱心に布教してくれたマクロスプラスくらいしか知らない。ガンダムってアムロのガンダムとシャアの3倍早い赤いザクが戦うやつでしょ、というくらいのイメージであった。

 

ところが蓋を開けてみると、すみません、知っている人は40年前から知っていることだと思いますが、これはとにかく戦争を描いたマジな作品だった。始めから戦争で、終わるまでずーっと戦争である。戦争の合間を描いた日常みたいなシーンがほとんどない。わずかな日常も、とつぜん再開する戦争で切り裂かれる。人もガンガン死ぬ。え、そんなマジなやつだったの、と。

 

そして群像劇でもあった。個人的に一番心に残ったのはカイとミハルのエピソードだが、ミライとスレッガー、シャアとザビ家、ギレンと父親、ランバ・ラルとセイラ、などなど。めちゃくちゃ驚きの伏線があってすごい、という現代的な感じではないのだが、敵と味方に別れるとこういうことが起きてしまうよなあというのが一々描かれるのだった。

 

戦争といえば、連邦の無能っぽい上層部の描き方は印象的であった。アムロはもっとダメなキャラクターなのかと思っていたが、普通に大変そうで同情してしまった。

 

ガンダムなにから観るか論争だと、初代は傑作であるものの、映像が古いので今から入るのは難しいのでは……みたいな説があるようだが、私は全然気にならなかったし、なんなら横で子供も食い入るように見ていた。

 

それに、ガンダムのありとあらゆるシーンが今ではミームとして利用されているので、実際の作品はさながらミームを巡る旅のようでもあった。殴ったね、当たらなければ~、坊やだからさ、カスであると、足なんて飾りです……などなど。ここで出てくるのか、と。

 

ザクとは違うのだよ、ってシャアの台詞じゃないのね、とか。ララァってこういう人だったのね、とか(賢いということしか知らなかった)。そういう発見もあった。ええいガンダムを映せのAAの人が父親だと気付いたのは悲しかった。

 

それにしても僅かなナレーションを除き、説明の少ない作品である。ミノフスキー粒子ってなんやねん、とか。ザクとは違うそれの名前はなんなんだ(グフというらしい……劇中に説明あったっけ?)、とか。テキサスコロニーはミラーも動かず……ってなんのミラーなの、とか。仕方がないので調べる。思う壺である。

 

そういうわけで、今から見てもガンダムはマジで面白いという話でした。これまで本気に取り合わず、すみません。これからZ見ます。

 

2019/04/15

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この文章は小関悠が書いた。特に明記のない限り、私と関係がある、もしくは関係のない、組織や団体の意見を示すものではない。

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