7.A4-2『
あけぼのの熱燗』僕が本格的に酒を飲むようになったのは、Yiesという飲んべえが主宰の劇団に所属するようになってからである。Yiesは基本的に週3回練習があって、練習の後は基本的に飲み会。行き先はいつも「大衆酒場
あけぼの」、あるいはまだお好み焼きを始める前の「ねじ式」だった。
あけぼのは飲んでも飲んでも\3000を超えないという不思議な店で、京都の寒い冬にYiesに合流した僕は、暖をとるためにいつも熱燗を頼んでいた。それは疑いなく安い酒で、いつもひどく酔い、耐えがたいアルコール臭を体から漂わせることになった。しかし、ひどく酔って出まかせに続ける会話はとても楽しかった。
あけぼのの熱燗は悪酔いは楽しい、という間違った認識を与えてくれたお酒である。もちろんひどい二日酔いを引き起すので、僕を留年させた酒であると言ってもいい。