1."
ミリオンダラー・ベイビー"を観た。前半は三十を過ぎた女性が、老トレーナと出会ったことから、突如ボクサーとして成り上がっていくシンデレラ・ストーリー。色々と無理のある設定だが、ヒラリー・スワンクの眼とクリント・イーストウッドの佇まいが口を挟むことを許さない。むしろリングを囲む観客の一員となって、無茶を乗り越えてヒロインが誕生することを積極的に待ってしまうのである。しかし物語はそれを許さず、崩壊する。現実がやって来るが、それを容易に受け入れられない。イーストウッドは解決策を差し延べる。そして映画は細部を片付けぬまま、ファンタジーとして昇華される。細々と描かれる宗教や家族、恋愛、ボクシングといった事々はアメリカン・ファンタジーのパーツにすぎない。ほとんど完璧なアメリカ映画。
2.先日引越を行った友人からの依頼で、IKEA船橋まで家具を見に付き合う。巨大、巨大と散々聞いていたのだが、二階は巧みに仕切られた曲がり道がずっと続く作りなので、それほど広さを感じない。ベッドとソファ、棚はなかなか数がある。バリエーションはあんまりない。一時間半の滞在であったが、さすがに平日は客入りも控え目ということで、十分に観て回れた。しかし最後の最後、一階にある倉庫の眺めは圧巻。電車通いではせっかくの安さが送料で帳消しになってしまいそうなので、個人的にはよほど欲しいものを見つけた時以外はもう来る必要はないかなと思ったけれども、倉庫から出すのも自分なら梱包するのも自分、持ち帰る袋や送料は自己負担という仕組みが、物珍しさが無くなったあとも日本に根付いていくのかは、興味深く見守りたい。